虫歯があると宇宙飛行士にはなれない?
みなさんの中には、虫歯になると宇宙飛行士になれないと思っている方が多いのではないでしょうか?
確かに虫歯があると宇宙飛行士にはなれません。しかし、虫歯があってもしっかり治療をしていれば問題ありません。
ではなぜ虫歯があると宇宙飛行士になれないのでしょうか?
宇宙で作業するとき宇宙服の中の気圧は約0.3気圧まで減圧されます。
スペースシャトル内と同じ1気圧のまま船外にでてしまうと、気圧の差で宇宙服が膨れ上がってしまい、指や手、足などが曲がらなくなり作業ができなくなってしまいます。
そのため、0.3気圧まで減圧した環境で作業を行うということです。
0.3気圧まで減圧したときに、お口の中に虫歯や治療が途中な歯があり空洞などができていると、中の空気が膨張して内側から歯を圧迫するため痛みを生じる場合があります。
その後、詰め物の隙間などから空気が入ることで周囲と同じ気圧になります。
同じ理由で戦闘機などのパイロットも虫歯の治療をしていないと操縦する事ができないそうです。
高い山などに登った時も気圧の変化で歯に痛みが出たりすることがあります。
このように、気圧の差がある環境で作業をする時は注意が必要です。
もし宇宙で歯が痛くなってしまったら?
まず痛み止めを服用します。
宇宙船の中で歯を削ったりする治療が出来ればよいのですが、歯を削る器械はありせんし、もしあったとしても、削った粉や水分などが飛び散るので大変な事になってしまいます。
痛み止めを飲んでも痛みが取れない場合は、医師の指導の下他の宇宙飛行士が歯を抜く可能性があるそうです。
治療行為は本来国家資格をもつ医師にしか許されていません。しかし、特別に宇宙飛行士に限り治療行為が許されているそうです。もちろん事前に歯を抜く訓練などを受けています。
このように、虫歯があるまま宇宙に飛び立ってしまうと大変な事になります。
そのため、打ち上げの前に虫歯がないか、悪化しそうな歯はないか、治療が不十分な歯はないかなどしっかり検診します。
虫歯にならないためにも、普段から歯磨きをしっかりし、お口の中の健康に気をつけましょう。