口腔の先天異常~口唇口蓋裂って知っている?~
赤ちゃんが生まれたときに唇や口蓋、歯茎に割れ目の残っていることがあります。
このような先天異常を口唇口蓋裂と言います。
今回はこの口唇口蓋裂についてお話しします。
日本人に多い先天異常といわれています
口唇口蓋裂は日本では約500人~700人に1人の割合で発生すると言われています。
口唇口蓋裂は赤ちゃんがお母さんのお腹の中で成長する過程で、顔の癒合がうまくいかない場合、その部位に裂け目が残ってしまいます。
口唇口蓋裂の症状にはどのようなものがあるの?
口唇口蓋裂は顔に裂け目が残ってしまっているため、審美的な障害があります。また、おっぱいを飲む時の哺乳障害、食べるときの摂食障害などもみられます。息が抜けてしまうことなどでの発音障害などもみられます。
口唇口蓋裂の原因は?
口唇口蓋裂が起こる原因としては、妊娠初期にお腹の中の胎児に異常な力が加わったり、母体の栄養障害、ストレスなども原因と言われています。
また、妊婦によるアルコールやたばこの摂取などが原因とも言われています。
どのような治療を行うの?
治療は基本的には手術で割れ目の部分を縫い合わせます。手術の時期や回数は個人差があるので人によって変わってきます。
現在では手術を受けたことがほとんどわからないほど良い結果を得ることができます。
術後は言葉のトレーニングなども必要
手術を受けたからといって治療が完了というわけではありません。
発音障害のあるお子さんには言葉のトレーニングなどを行います。
また、手術の影響で上顎の成長が十分でなく受け口になってしまったり、歯並びが悪かったり、かみ合わせが悪くなることがあります。その場合は歯列矯正を行います。
治療はすべて健康保険の対象です
口唇口蓋裂の治療は上記にお話しした歯科矯正も含めて健康保険の対象です。
また、補助金制度のある自治体もあります。気になる方は調べてみると良いでしょう。
このように口唇口蓋裂は手術をしてしっかりとしたトレーニングなどを行えば治らない病気ではありません。
出生前診断などもできますので、気になる方はかかりつけ医に相談してみもよいでしょう。